飛生の森づくりプロジェクトと共に、2011年に始まったTOBIU CAMPは、今年で6年目を迎えます。飛生アートコミュニティーは設立30周年の記念の年でもあります。
人が立ち入る事さえ困難だった、うっそうとした森。想像以上に険しい森での6年間の作業創作を経て、かつての小学校のように、今こうして多くの人々が集い、賑わい、皆さんをお迎えすることが出来るようになりました。飛生という不思議な土地に惹かれて集まった多くの有志の手で、笹を刈り、道を作り、小屋を立て、ステージを作り…。
少しずつ切り開いてきた森へは、手掛けてきた分、思い入れも強い。辛かった幾多の作業も、近隣の温泉や美味しい食事に癒され、そして多くの繫がりや出会いをこの森は与えてくれました。
飛生アートコミュニティーそしてトビウキャンプの環境は、完備された便利なキャンプ場ではありません。著名なフェスイベントとは趣きや仕様が異なる空間です。ここには小さな校舎とグラウンド、森、広大な牧草地と、あとはありのままの自然があるだけです。「きっとここには物語り、神話がある」のだと想像しながら私たちは森づくりを続けてきました。登場する数十組の出演アーティストは、来場された皆さんの物語りへ、キャストとして演出を添えてくれるはずです。
風も大雨も、虫や動物の鳴き声も、満点の星も朝露も、すべてが物語りの大切な演出要素のひとつです。森で過ごす一夜の物語りを想像し、紡いでいくのは、来場された皆さんご自身であって欲しいと私たちは願っています。ぜひ大切な人とテントを持ってお越しください。
飛生芸術祭 / TOBIU CAMP スタッフ一同より